割安株の探し方|10年来安値ではなく「長期の中心価格帯からのズレ」で候補を探す
割安株 / 株価10年推移 / スクリーニング / 10年来安値 / 株価
割安株を探すとき、PERやPBRなどの指標から入る方法があります。もう一つ、現在株価が長期の価格推移からどれだけ外れているかを見て、調べる銘柄を絞る方法もあります。
ここで探すのは「買えば上がる株」ではありません。過去の価格に比べて低い位置にあり、下落理由や業績を詳しく調べる価値がありそうな候補です。
2025年はこの探し方で資産が約2割増えた
私自身は2025年、長期の中心価格帯より下へ外れた銘柄を候補にする方法で、資産を約2割増やしました。いつも同じように調子よく増やせているわけではなく、この数字を毎年再現できるとは考えていません。
ただ、自分の売買記録を振り返ると、高値を追って買う方法より大きくマイナスになる銘柄が少ないと感じています。買ったあとに含み損になった銘柄も、すぐに売らず待つことで回復したケースが多くありました。
もちろん、下がった株がすべて戻るわけではありません。業績悪化や事業環境の変化で、過去の価格帯へ戻らない銘柄もあります。ここで書いているのは私自身の2025年の結果と、それまでの売買で得た感覚です。
この経験を、勘だけでなく同じ基準で繰り返せるようにしたものが株価ズレビューアーです。
10年来安値だけでは分からないこと
10年来安値は分かりやすい指標です。ただし、期間中に一度だけ付けた最安値と比べるため、その銘柄が普段どの価格帯にいたのかは分かりません。
例えば、同じ「現在株価1,000円」でも次の2銘柄は意味が違います。
- 10年間の大半を1,800〜2,000円で過ごし、最近1,000円まで下がった銘柄
- 10年間の大半を900〜1,100円で過ごし、一時だけ2,000円を付けた銘柄
最安値と最高値だけを見ると似たチャートでも、長く滞在した価格帯を見ると違いがはっきりします。
中心価格帯という見方
中心価格帯は、一定期間の終値を価格帯ごとに分け、最も長く滞在した価格帯を指します。平均値とは違い、株価が実際に何日その範囲にいたかを数えます。
現在株価と中心価格帯の差を割合で出すと、長期の居場所から上へ外れているのか、下へ外れているのかを比較できます。
中心価格帯とのズレ = (現在株価 - 中心価格帯の中心値) ÷ 中心価格帯の中心値
下方へのズレが大きい銘柄は割安株候補になりますが、下がるだけの理由がある可能性もあります。ここでは結論ではなく、調査の入口として使います。
1年・5年・10年を並べて見る
10年だけでなく、1年・5年も並べると下落の形を分けられます。
- 短期下落型: 1年は安値圏だが、5年・10年では中心付近
- 中期低迷型: 1年・5年は安値圏だが、10年では中心付近
- 長期低迷型: 1年・5年・10年のすべてで安値圏
- 高値継続型: 複数期間で中心価格帯より上に定着
同じ下落銘柄でも、直近だけ下がったのか、長期間低迷しているのかで、次に調べる内容が変わります。
長期のズレから銘柄を探す
株価10年推移と中心価格帯を比較する「株価ズレビューアー」では、東証上場約3,900銘柄を対象に、1年・5年・10年の価格帯分布を確認できます。
候補の探し方は3通りです。
- 10年中心価格帯から下方へ離れた順にランキングを見る
- 業種カテゴリごとのズレを比較する
- 気になる銘柄をコードまたは名称で検索する
単純な10年来安値ランキングではなく、過去に長くいた場所からのズレを見ている点が違いです。
候補を見つけたあとに確認すること
価格だけで割安とは判断できません。候補を見つけたら、少なくとも次を確認します。
- 売上、利益、営業キャッシュフローの変化
- 有利子負債と手元資金
- 減配や無配の有無
- 業界全体が下がっているのか、その会社だけか
- 不祥事、事業撤退、増資など固有の材料
- 株式分割や併合によるデータの見え方
長期価格分布は「なぜこんなに外れているのか」と問いを立てるための道具です。ズレの大きさで候補を絞り、企業の中身を調べてから判断する順番にすると、値下がりした株を無条件に割安と考えにくくなります。
2025年に資産が約2割増えたことは、この方法を使った私個人の結果です。将来も同じ成績になることや、含み損が必ず回復することを示すものではありません。