第二種電気工事士 技能試験|渡り線はどの電線から取るのが正解か
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第二種電気工事士の技能試験で、地味に迷いやすいのが渡り線です。
「この渡り線は、どの電線から取ればいいのか」
「余っている別の電線から取っていいのか」
「渡り線に黒1本しかいらないのに、3芯ケーブルから取らないといけないの?」
練習中にここで迷うと、切断作業のリズムが止まります。
結論から言うと、渡り線は、その渡り線を使う器具に使った電線の余りから取れば100%足ります。
余っている別の電線を探す必要はありません。渡り線のために「2心か3心か」を別で考え直す必要もありません。
これは感覚ではなく、13問分の電線切断表を見れば確認できます。渡り線が必要な問題では、渡り線を使う器具まわりの電線と、渡り線100mmが同じ支給電線の中に組み込まれています。
さらに、この考え方が成立する理由は、技能試験の候補問題が単線図だけで決まっているわけではないからです。単線図が同じ場合は、配られる電線の種類と長さまで同じになることを確認しています。
材料の比較は、こちらのツールで確認できるようにしています。
単線図と材料の一致を検証した経緯は、こちらの記事にまとめています。
👉 第二種電気工事士 単線図が変わっていなければ材料も同じなのか検証してみた
これは公式の切断手順ではありません。練習用メモをもとにした考え方です。実際の候補問題、支給材料、施工条件は必ず公式資料で確認してください。
👉 第二種電気工事士の技能試験の候補問題(電気技術者試験センター)
結論:渡り線は使う器具に使った電線の余りから取る
自分の切断表で確認すると、渡り線は別の余り電線から探す必要はありませんでした。
渡り線は、その渡り線を使う器具まわりで使った電線の余りから取ります。
切断表では、その渡り線を使う負荷・器具まわりの電線と、渡り線100mmが同じ電線のまとまりとして出てきます。
つまり、作業中はこう考えるのが一番分かりやすいです。
- まず負荷・器具用の電線を切る
- その器具で渡り線を使うなら、同じ電線の余りから100mmを取る
- 2心か3心かを別で考えない
- 他の電線の余りを探しにいかない
ここでいう「余りから取る」は、切った器具用の一本をさらに短くするという意味ではありません。
同じ種類の支給電線を切っている流れの中で、負荷・器具用の切断長を取ったあと、続けて渡り線100mmも取るという意味です。
なぜ100%足りると言えるのか
渡り線が足りると言えるのは、候補問題ごとの支給電線の長さが決まっているからです。
技能試験の候補問題は、単線図だけを見て練習するものではありません。実際には、候補問題ごとに支給される電線の種類と長さも決まっています。
過去の公表問題を比較すると、単線図が同じ問題では、配られる電線の種類と長さも同じでした。つまり、単線図が同じなら、渡り線を含めた切断計画も同じ前提で考えられます。
そのため、13問分の切断表で「渡り線を使う器具に使った電線の余りから100mm取る」形になっていれば、本番の同じ型の問題でも同じ考え方で足ります。
明示的に渡り線が出てくる問題
練習用の電線切断表で、作業名が 渡り線 になっているものを抜き出すと、次の5問でした。
見るポイントは、渡り線そのものではなく、どの器具まわりの電線と同じ支給電線で処理しているかです。
| No. | 一言名 | 渡り線を使う器具まわりの作業 | 渡り線に使う電線 | 渡り線の数 |
|---|---|---|---|---|
| No.1 | 3灯3スイッチ | 埋込連用取付枠 | VVF 1.6-2C ① | 2本 |
| No.2 | PL常時点灯 | パイロットランプ | VVF 1.6-3C | 1本 |
| No.4 | 三相200V電動機 | 埋込連用取付枠 | VVF 1.6-3C | 1本 |
| No.5 | 200Vコンセント | 埋込連用取付枠 | VVF 1.6-2C | 2本 |
| No.10 | PL同時点滅 | 埋込連用取付枠 | VVF 1.6-3C | 1本 |
この表で確認したいのは、「渡り線に使う電線を別に探す」のではなく、「渡り線を使う器具まわりの電線とセットで取る」という点です。
たとえば No.2 なら、パイロットランプに VVF 1.6-3C を使います。その同じ VVF 1.6-3C の中から、渡り線100mmも取ります。
No.5 なら、埋込連用取付枠に VVF 1.6-2C を使います。その同じ VVF 1.6-2C の中から、渡り線100mmを2本取ります。
つまり、渡り線は 2心か3心か を先に考えるものではありません。渡り線を使う器具に使った電線はどれかを見れば、その電線の余りから取ればいいと分かります。
No.1:3灯3スイッチ
No.1 は、埋込連用取付枠に使う電線と同じ支給電線の中で、渡り線を2本取ります。
切断表ではこうなっています。
| 作業 | 電線 | 切断長 |
|---|---|---|
| 埋込連用取付枠 | VVF 1.6-2C ① | 300 |
| 埋込連用取付枠 | VVF 1.6-2C ① | 300 |
| 渡り線 | VVF 1.6-2C ① | 100 |
| 渡り線 | VVF 1.6-2C ① | 100 |
VVF 1.6-2C ① は支給900mm、使用800mm、残100mmです。
埋込連用取付枠に使った同じ VVF 1.6-2C ① の余りから、渡り線100mmを2本取る流れです。
No.2:PL常時点灯
No.2 は、パイロットランプに使う電線と同じ支給電線の中で、渡り線を取ります。
切断表ではこうなっています。
| 作業 | 電線 | 切断長 |
|---|---|---|
| AB間 | VVF 1.6-3C | 350 |
| パイロットランプ | VVF 1.6-3C | 350 |
| 渡り線 | VVF 1.6-3C | 100 |
VVF 1.6-3C は支給800mm、使用800mm、残0mmです。
ここが分かりやすいところで、渡り線を別の余りから探す余地はありません。AB間、パイロットランプ、渡り線まで、同じ VVF 1.6-3C の流れでぴったり使い切る形になっています。
No.4:三相200V電動機
No.4 も、埋込連用取付枠に使う電線と同じ支給電線の中で、渡り線を取ります。
| 作業 | 電線 | 切断長 |
|---|---|---|
| 埋込連用取付枠 | VVF 1.6-3C | 400 |
| 渡り線 | VVF 1.6-3C | 100 |
VVF 1.6-3C は支給500mm、使用500mm、残0mmです。
これも、埋込連用取付枠に使った電線の余りから、渡り線100mmを取る流れになっています。
No.5:200Vコンセント
No.5 は、埋込連用取付枠に使う電線と同じ支給電線の中で、渡り線を2本取ります。
| 作業 | 電線 | 切断長 |
|---|---|---|
| 埋込連用取付枠 | VVF 1.6-2C | 350 |
| 埋込連用取付枠 | VVF 1.6-2C | 350 |
| 渡り線 | VVF 1.6-2C | 100 |
| 渡り線 | VVF 1.6-2C | 100 |
VVF 1.6-2C は支給1650mm、使用1500mm、残150mmです。
この問題でも、埋込連用取付枠に使った電線の余りから、渡り線100mmを2本取る流れです。
No.10:PL同時点滅
No.10 は、埋込連用取付枠に使う電線と同じ支給電線の中で、渡り線を取ります。
| 作業 | 電線 | 切断長 |
|---|---|---|
| 埋込連用取付枠 | VVF 1.6-3C | 350 |
| 渡り線 | VVF 1.6-3C | 100 |
VVF 1.6-3C は支給450mm、使用450mm、残0mmです。
これも、別の電線から100mmを探すのではなく、埋込連用取付枠に使った電線の余りから取る流れです。
管工事系のIV黒100mmも同じ考え方で見られる
No.11 ねじなし電線管 と No.12 PF管 では、作業名としては 渡り線 とは書いていません。
ただ、練習用の切断表では、IV黒に100mmの行があります。
| No. | 一言名 | 電線 | 100mm行 | 同じ電線で使っている器具まわり |
|---|---|---|---|---|
| No.11 | ねじなし電線管 | IV 1.6 黒 | 100 | 埋込連用取付枠 |
| No.12 | PF管 | IV 1.6 黒 | 100 | 埋込連用取付枠 |
No.11 は IV 1.6 黒 が支給550mm、使用550mm、残0mmです。
内訳は、埋込連用取付枠450mmと、100mmの黒線です。
No.12 も同じで、IV 1.6 黒 が支給500mm、使用500mm、残0mmです。
内訳は、埋込連用取付枠400mmと、100mmの黒線です。
これも感覚としては、埋込連用取付枠まわりの黒線を切った流れの中に、100mm分が組み込まれていると見られます。
正解は「別の余り線を探さない」こと
渡り線をどこから取るかで迷う原因は、「余っている線なら何でもいいのでは」と考えることだと思います。
でも切断表を見ると、渡り線は、その渡り線を使う負荷・器具用電線とセットで出てきます。
そのため、作業中は次のように考えた方が迷いません。
- 負荷・器具用の電線を切る
- その器具で渡り線を使うなら、同じ電線の余りから100mmを取る
- 2心か3心かを別で考えない
- 別の余り線から探さない
これなら、渡り線のたびに電線種を考え直さずに済みます。
13問分の切断表で確認する
今回の確認は、練習用に作った13問分の電線切断表をもとにしています。
👉 第二種電気工事士 技能試験|13問分の電線切断表で作業手順を脳にインストールする
この記事では、各問題ごとに単線図、電線整理、電線切断表を載せています。
渡り線だけでなく、切断ルールの考え方や、支給された電線が余ったときの見方は、切断ルールの記事にまとめています。
👉 第二種電気工事士 技能試験|作業中の迷いをゼロにする電線切断メモと作業順
まとめ
渡り線は、余っている別の電線から探すものではなく、その渡り線を使う器具に使った電線の余りから100mm取るのが正解です。
13問分の切断表で確認すると、渡り線は、その器具まわりの電線と同じ支給電線の中に組み込まれています。
これは、単線図だけでなく、配られる電線の種類と長さまで同じ型で続いているから成立します。単線図が同じなら、支給電線も同じになることは材料比較で確認済みです。
だから「渡り線は2心か3心か」と考えるより、その器具に使った電線の余りから取ると覚えた方が実戦的です。
この考え方にしておくと、切断中に「この100mmはどこから取るべきか」で止まらなくなります。
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